2018.05.17DVD鑑賞
2018.05.17DVD鑑賞
久しぶりにDVDを借りて観ました。 海外では深刻な問題にもなっている誘拐そして監禁。 映像にその残酷なシーンはありませんでしたが、 実話に基づき作られたアカデミー賞受賞作品でした。 17歳で誘拐された少女が生んだ子は、 施錠され小さな天窓が1つしかない納屋で5歳の誕生日を迎えます。 男の子なのに栄養もままならず、髪も長く、きゃしゃな可愛い女の子のよう。 ある時、母親はその子に納屋の外に広がる世界を教え、 その子を外に逃がす計画を立て、そして実行するのです。 納屋の外の木も、枯葉も、青い空も、白い雲も、走るトラックもエンジン音も、 そして散歩をする人も犬も、その子にとっては全てが眩しく初めてみる光景。 あまりに広く大きな空にブルーの瞳を見開いて言葉を失うその姿に、 観ているこちらまで息をのみました。 5歳の小さな小さな子が、お母さんから言われたことを必死に唱え、実行し、 お母さんを救い出す親子の絆と唯一無二のお母さん。 そして子供という存在の尊さに涙が止まりませんでした。 しかし、そこでハッピーエンドではなく、待ち受けているマスコミとの攻防、 人として普通の生活を知り、慣れ、学んでいくことの難しさ。 それでも、少しずつ心を開き環境に順応していく子供の力に驚かされもしました。 エンディングで親子は、調査が終わった廃墟のような納屋に再び足を踏み入れます。 嫌悪感を感じる母親とは裏腹に、その子は、たくさんの楽しい思い出の詰まった納屋に 残されたパイプ椅子やプランターにひとつずつお別れを言って小さな納屋を後にします。 最悪な環境でも、そこしか知らない子にとっては何ら嫌な事ばかりでななく、 片時も離れず一緒に暮らしたお母さんとの思いでの「ROOM」なんだと。 私の癒しの時間であり、また知らなかった世界に考えさせられた作品でした。(E)